カントール集合
カントール集合とはなにか?
カントール集合は、与えられた線分に対して「3等分し真ん中部分を除く」という操作を繰り返し行うことで得られる集合の極限である。
ただし、ここで線分はすべて閉区間としておく。
カントール集合の濃度
どんどん線分の長さが短くなるので、極限では空集合になってしまうように思ってしまうが、そうではない。
たとえば、最初の線分を、閉区間
少し見づらいので、3進数を使用すると、次のようになる。
たとえば、
最初の図を観察するとわかるが、一度どれかの線分の端点になった点はいつまでも残り続ける仕組みなのである。
したがって、
それどころか非常に多くの要素からなっている。
具体的には、「3進数表記で、0と2のみからなるような数」がカントール集合を構成している。
そのような数としては、
などの無限小数も含まれることに注意されたい。
これは、2進数表記の実数全体と一対一対応をつけることができるから、カントール集合の濃度は連続体濃度
整数の数である可算無限
カントール集合の長さ
であるから、
そこで、カントール集合の長さは
測度論の用語で言えば、カントール集合は零集合(null set)である。
カントール集合の興味深さ
カントール集合の興味深いのは、その濃度が連続体濃度であり、いわば非常に多くの要素を持ちながら、測度は0であるという点である。