指数関数と三角関数の積の積分

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指数関数と三角関数の積の積分

指数関数と三角関数の積の積分を久しぶりにやって少し計算に躓いてしまった。

その際にやった方法をメモっておく。

求めたい積分は以下である。

$$ \int{e^{at}\cos{(bt)}dt} $$

確か高校のときは部分積分を2回繰り返すと元の形に戻るので、それを用いて解いたものである。

しかし、部分積分の方法は、分数が繰り返し出てきたり、符号が入れ替わったりして、少し計算が入り組むようである。

そこで、今回は次のようにやった。

$$ u(t) = e^{at}\cos{(bt)} $$

$$ v(t) = e^{at}\sin{(bt)} $$

とおいて、ベクトル$(u, v)^\mathsf{T}$を微分すると、次を得る。

$$ \frac{d}{dt} \begin{pmatrix}u \\ v \end{pmatrix} = \begin{pmatrix}a & -b \\ b & a \end{pmatrix} \begin{pmatrix}u \\ v \end{pmatrix} $$

これは、微分が一次変換として表されることを意味する。 積分は微分の逆変換だから、積分は逆行列によって

$$ \int \begin{pmatrix}u \\ v \end{pmatrix}dt = \begin{pmatrix}a & -b \\ b & a \end{pmatrix}^{-1} \begin{pmatrix}u \\ v \end{pmatrix} = \frac{1}{a^2+b^2} \begin{pmatrix}a & b \\ -b & a \end{pmatrix} \begin{pmatrix}u \\ v \end{pmatrix} $$

と表される(積分定数は省略)。 「積分は微分の逆変換だから」というのが少し乱暴に感じられるのであれば、右辺を微分すると ベクトル$(u, v)^\mathsf{T}$になることを確かめれば良い。微分と定数の行列の乗算が交換できることから、これは容易に確かめられる。

第1成分に着目すれば、結局、

$$ \int{e^{at}\cos{(bt)}dt} = \frac{a}{a^2+b^2}e^{at}\cos{(bt)} + \frac{b}{a^2+b^2}e^{at}\sin{(bt)} $$

となる。

もちろん、これはオイラーの公式を用いて$u+iv$を考えているのと本質的には変わらない。

部分積分を実行するよりは、見通しが良さそうには思える。